ゴルフ雑学

韓国ゴルファー強さの秘密!日本とは違う強いゴルフ環境がここにあった

近年、目覚ましい活躍を見せている韓国出身のゴルファー達。日本ツアーでは過去2度の賞金王に輝いた金庚泰(キムキョンテ)プロや、女子ではゴルフだけでなくビジュアル面でも人気のあるイ・ボミプロをはじめ、現在アメリカ女子でプレーしている世界ランク1位のユ・ソヨンプロも韓国出身のプロゴルファーだ。

このように日本のみならず世界中で結果を出し続けている韓国プロ達の強さの秘密は何なのかを本記事で検証してみようと思う。

独自のジュニア強化育成システム

韓国プロゴルファーの強さの理由-代表常備軍

日本でも知らない人も少なくない、韓国ゴルフ協会(KGA)が主導となり国が支援を行う韓国独自の育成サポート体制「国家代表・代表常備軍制度」。これが、韓国出身プロゴルファーの強さの一番の礎になっていると言われている要因だ。

国家代表・代表常備軍制度とは、実力や試合結果に応じて男女各6人を国家代表として選出する韓国ジュニアゴルフ育成サポートシステム。メインとなる代表6人以外にも常備軍として選出されるゴルファーもおり、選出されたゴルファーたちは国からトレーニングや資金面などの手厚いサポートが受けられる。

韓国でプロゴルファーを目指すジュニアたちは、まずこの国家代表・代表常備軍制度の代表入りを目指すことになるが、この制度にどのような恩恵があり、ゴルファーとしての成長にどのようなメリットがあるのかを見ていこうと思う。

サポート内容の充実

代表入りを果たして受けられる一番大きなメリットと言えるのが十分すぎるほどのサポート体制だ。まず経済面でのサポートは、用品代から合宿費・試合に掛かる費用なども含め全額協会が負担してくれるためお金の心配を全くせずにゴルフに専念できる。

経済面のサポートのほかにも、代表選手はゴルフスキル強化合宿の参加権利も得られる。基礎体力作りの為のフィジカルトレーニングや、韓国ゴルフ協会指定のゴルフコーチが付けられゴルフスキルの強化も可能となっている。さらに合宿期間も年間の約3分の2もの期間を合宿で過ごすため、日本の学業第一で長期休暇のみの合宿とは訳が違う。

韓国は日本ほどゴルフ場が多くないにも関わらず年々ゴルファー人口は増加していてプレー料金も高額でゴルフでラウンド経験などの上達をするには環境も経済面も日本よりもハードルが高い。それらの問題を無償で解決できるという点においても、これらの当制度の恩恵は韓国でプロゴルファーになる為にはやはり必須と言える。

ライバル合戦

韓国のプロゴルファーの強さは、ジュニア時代からの痛烈な競争環境と言われることも多い。「代表」と「常備軍」ではサポート内容も大きく異なっており、例えば、代表は1年間の半分以上を強化合宿に参加できる恩恵があるのに対し、常備軍は学業の合間を縫っての参加しか出来ない。

上記で述べたサポート体制の全てを受けられる「代表」に対し、限られた恩恵しか授かる事の出来ない「常備軍」の違いこそが、プロを目指すゴルファーたちが「代表入り」を賭けて必然的に競争意識を生ませるシステムになっている。

代表に選ばれてた時点でヤッター!とはならず、代表になっても常備軍との入れ替えも毎年行われる為、代表所属を維持するには技術向上や試合での好成績は必須の条件となり、常にライバルたちとの競争に勝ち続けていかなければならない。

イボミが日本ツアーでプレーオフまで持ち込んでしまえば負け無しの神話を築いた事も記憶に新しいが、この結果からみても土壇場での勝負強さ・メンタルの強さはジュニア時代の過酷な競争環境がもたらした卓越した能力のひとつといえるだろう。

韓国民の儒教精神

韓国ゴルファーの儒教精神

韓国の国民気質のひとつとして挙げられるのが「儒教」だ。

その儒教の中で「義」というのがあり、これは「恩に報いる」ということ。韓国のプロゴルファーで活躍しているプロたちのほとんどは、家族の為、親の為と必ずと言っていいほど口にする。

自分をここまで育てた親に恩返しがしたいという気持ちは他の国よりも強く思う国民性が故に、背負っているプレッシャーが違うことも韓国出身のプロゴルファーの強さの一因となっている。

例えば、日本では音楽や映画・ドラマなどのエンタメで韓流文化人気が根強く続く傾向があるが、これは日本語を話せるようになるための勉強や日本でも売れる為の努力があった証と言えるが、逆を考えてみると日本から韓国語をマスターして韓国で活動する日本人は明らかに韓国人よりも少ない。

このように、韓国のゴルフとは関係のないエンタメ業界を見てみても韓国人の勤勉さ・ハングリーさが分かっていただけると思う。

韓国と日本のゴルフ歴の違い

まず、直近3年間(2014年~2016年)の日本女子ツアー賞金ランキングでTOP50にランクインしている日韓ゴルファー達の平均ゴルフ歴を見てもらいたい。

  • 日本女子プロゴルファー・・・10.2歳
  • 韓国女子プロゴルファー・・・12.1歳

さらに、直近3年間(2014年~2016年)で日本女子ツアー賞金ランキングでTOP5にランクインしている日韓の比率を見てみよう。

出身国 2014年 2015年 2016年 平均
韓国 3 4 3 3.3
日本 1 0 2 1.0
その他 1 1 0 0.7

これらのデータから、ただゴルフを早いうちから始めれば良いというものでは無いことがわかる。日本人ゴルファーより2年ものゴルフ歴の差があるにも関わらず、ツアー上位で成績を残し続けているのは韓国出身のプロゴルファーだからだ。

賞金ランキングは毎試合毎試合がものすごいプレッシャーとなり一打一打がとても重要になっていくる事と思うが、このような賞レースで勝ち続けている韓国出身のプロゴルファーの強い理由は、上述したジュニア時代からの経験がもたらすメンタル面の強靭さが一番なのかもしれない。

参考までに、日本ツアーで活躍する男女ゴルファー達のゴルフ歴が知りたい方は下記の記事も合わせて読んでみてほしい。

子供にゴルフを始めさせる年齢は何歳から?プロのゴルフ歴から考察子供がスポーツを始めるきっかけって、プロ野球やJリーグの影響、何年か前でいうと錦織圭選手の活躍でテニスを習いたい子供が急増したりしました...

まとめ

いかがだっただろうか。

韓国出身のプロゴルファーが強い理由はこのような背景があるわけだが、文章にしてみれば簡単だが、これまで結果を出し続けているその裏には私たちには想像もつかない位の練習や経験をしてきているのかもしれない。

日本や世界で活躍している韓国出身のプロゴルファーの力強いプレーをこれからも注目してみてはどうだろうか。

ありがとうございました。

 

 

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